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さて、俺が何故この特殊な性癖の女子共に纏わりつかれているかというと。
ーーそれは、半年前に遡る。
「林道、薫、さんですね」
医者は自分の体を半回転させ彼は俺に向き直る。
右手にはカルテ。
シンプルに書かれた人間の頭部にペンで○が付けてあった。
それも右耳の上あたり。
実際、俺のそこには一輪の大輪の花が咲いていた。
「それは、原因も治療法も分かっていない疾患なんですよ」
それはガーベラのような花で、色は鮮やかな青色をしていた。
16歳という思春期まっただ中な俺に、その花は恥ずかしくて仕方がなかったのだが。
その根はどうも俺の血管と同化するかのように頭部内部奥へ続いていた。
抜こうと力を入れると頭蓋骨まで出てきそうで、抜くに抜けない。
「コレ手術とかでどうにかなりませんか?町を歩くのが恥ずかしくて」
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