1人目 未知との遭遇

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彼はゆっくりと首を振った。 「過去に根の一本まで全て取り除いた前例がありますが、半年後にまた同じ所から生えてきたとか」 「……」 「しかも花が前より大きくなってね」 彼は論文らしきパソコン画面を見つめながら苦笑した。 「とはいえ、この花が頭に生えた例が世界で20例はありますが、その中では花が原因で日常生活に支障を起こした患者は1人もいません」 目を細めながらマウスを叩く。 「内、8例は一定期間後に枯れて無くなったようですし。林道さんも様子を見られてはいかがですかな?」 「はあ」 浮かない顔をする俺に、彼は力強く肩を叩く。 「そんな顔をするものではありません。むしろこの花を生やした他の人間達は、幸せが舞い込んだみたいですよ」 幸せ?
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