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「明日から、あなたの周りは女の花園になるかも知れませんよ」
結局、頭に咲いた可愛らしい青い花はそのまま。
「……好みの女ねぇ」
特に女に興味は無かった俺には、やるせない帰り道だった。
深くフードを被った下で憂鬱と。
鼻の下を伸ばしうらやましがる医者の顔と、好みの女について永遠と考えてみる。
ーーねえよ。
確かに周りの奴らはヤッただのヤってないだの発情期で持ちきりだ。
俺はそんな本能的に動く人間に嫌悪感を覚え、その話題の稚拙さに脳内で馬鹿にしてしまう。
さらに、小学生の頃にでかい女同級生からいじめられていたトラウマが未だにある。
蘇る恐怖感情が、完全に恋愛感情を封鎖していた。
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