1人目 未知との遭遇

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1人目 未知との遭遇

「林道君、あなたの事が大好き!!」 俺が描いていたヤンデレは、こんな感じだ。 夕陽に染まる閑静な住宅地。 小柄でさらさら髪の美少女が制服で好きな男を待ち伏せ。 その手にはそぐわない包丁を握り問答無用で自分の愛を無理矢理、命がけで押しつけようとする。 その目に状況が掴めていない俺が映っても、他の常識が今の彼女には見えていない。 二次元ならばそれはそれは可愛い『萌』要素。 ヤンデレという人種の生態だ。 しかし、液晶の壁から出てしまうと銃刀法違反の脅しでしかない。 が、俺はそんな彼女に心から安堵を覚えた。 「……良かった、まだまともな人がいて」
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