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「つまり、その花が頭にある現状、あんたが生きている限り、ヤンデレを求めるフェロモンはこの世界の三次元女子にばらまき続けられるわけ」
姉は微笑み、きれいな指で俺の心臓の上をつかむ。
少し頭を動かせば顔が触れる、というか事故寸前の至近距離で。
「あんたを中心に周りの女どもはみんなあんたを思い、心を病むの」
その目は、やはり今まで見た彼女らと同様、目の光り方が独特だ。
「……姉ちゃんも?」
鼻でんふ、と小さく笑ったようだった。
「ええ」
彼女は、その禁忌を否定しなかった。
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