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「後ろの全身タイツさんは、君の友達なのかな?」
刃渡さんは、セミロングの髪を揺らし背後を振り向いた。
次の瞬間、蛍光ピンクの伸縮素材が包丁持つ手を弾く。
「きゃ!?」
夕陽に煌いた包丁が地面を滑走する。
伸縮素材が縮んで戻る先は、民家の屋根の上。
人型で全身を蛍光ピンクで覆い、瓦に降り立つそれは、人間離れした宇宙人のようだった。
その家の犬か、異様な程ギャンギャンギャンギャン吠えている。
「……あれは、一体?」
明らかに周りの景色と状況から浮いている蛍光ピンク。
のっぺらぼうの顔をゆっくりとこちらに向ける。
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