魔剣物語

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一本の刀がこの物語の主人公と出会うまでの話をしたいと思う。 ある貧しい村に夫婦が住んでいた。 夫は左平次といい、刀鍛冶を営んでいた。 妻の名はお鱗。 お鱗は殺される。言われ無き理由で。 左平次は妻の亡骸を鉄に溶かして刀を作る。 「人を恨みたくなかった。だが恨まずにはいられない。自分の胸に邪の蛇が入り込んでこの刀を作った」 そう言って左平次はその刀で自分の首を刎ねた。 自身の復讐と刀をある若者に託して。 刀は血を吸う魔剣となった。 魔剣のせいか、のちにその若者は自分の親友に殺される。 刀は名は「邪蛇鱗」という。
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