prologue

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「貴様が【召還者】でないのならば用は無い、また先程のような妖が出ないとも限らぬ、助けてやった礼などいらぬからさっさと帰るがいい」 そう言って歩き始める彼女、何が何やらもうさっぱりだ、とりあえず危機を脱出できただけでも良かったのかもしれない。 「助けてくれてありがとな」 そう言って瞬きを一つした時既に彼女は視界から消えていた。 全く何から何までまるで漫画のような展開、本当に夢でも見ているんだろうか、一応お約束通り頬を思いっきり抓ってみる。 ……お約束通り鈍い痛みが虚しく頬に広がって心も虚しくなった。 真紅のドレス、朱い髪の可憐で不思議な少女、そして巨大な蜘蛛に変な刀。 五月十九日、それはまるで吹き抜ける風のように一瞬の出来事だった。 Next episode.
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