転機

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「さてと、何から話したらいいか。」 深淵の奴めしれしれと。 思ったが、俺は黙って先をうながした。 「まあご存知の通り鬼はいる。 いや近年増えている。 秋葉原の事件しかり、 茨城の事件しかり、 細かい事件なら数しれずだ。」 先生質問です。 俺は割って入る。 「その鬼たちはどうなったんで?」 いい質問だ。 深淵の奴は気取って答える。 「あるいはその場で倒された。 そうじゃない鬼たちはある施設に厳重に閉じ込められてるらしい。」 「じゃあ裁判やってるのは何だ?」 俺は思わずつっこむ。 「スケープゴートだろうな。 まさか法廷に鬼立たせるワケにもいかんだろ?」 お前なあ 「曲がりなりにも民主国家だろが?」 「決めるのは俺じゃない。 もっと上の方だ。 乗神だいたいお前は切れ者だが、 その辺の認識が甘い。 だからそんなだ。」 「興味ね~よ。 俺は生き方曲げてまで、何かにしがみつこうとは思わん。」 段々俺と深淵の議論は白熱してきた。 「そろそろワシらの話もしてくれんかの?」 俺はようやく部屋の奥に化石みたいな老人が座している事に気づいた。
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