遭遇

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「パパお帰り。」 子供達はもう起きていた。 先を争うように俺に飛びついてくる。 俺の心中の嵐はウソのように靜まっていった。 気づくと右手の紋章は消えていた。 やはり幻覚だったのか? 「パパ花梨は?」 子供達はお構いなしだな。 俺は軽く苦笑すると、 もう花梨が来る事はない事を告げた。 「パパ嫌われたの?」 まあそうだ。 しかし俺には子供達が居る。 引きずってるワケにはいかなかった。 花見に行こう。 俺はさっきの桜を思い出していた。 俺は早速弁当を用意して、花見の支度を整えた。 俺の家族は総勢七人。 子供達は紫苑・大樹・瑞稀にめいの美羽 さらに美羽の母親で妹の由梨。 それと父親だ。 まあこの辺の事情も俺が花梨と別れる要因の一つになったのだが。 俺にはどうする事も出来ない。 まあ済んだ事だ。 俺は子供達と花見へ出かけた。 もうおかしな気配は感じない。 まあいるならここだ。 俺は自分の右手を見た。 いつもと何の変わりばえもない。
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