激闘

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珍しく出動しない一日。 俺達はオフィスにこもり、鬼の出現パターン・出現予想に日を費やした。 「奈良の繁華街のこの一ヶ月の行方不明者数の急増が気になるな。」 乗神お前ん家の近所だ。 言われるまでもない。 俺は妙な胸騒ぎを感じた。 「近いウチに調査に入ろう。」 だが、俺には他にも気がかりがある。 「ところで晢の事だが。」 ちゃんと児童福祉施設には話は通してある、しかし俺は施設に押し込む事には気が進まない。 「警察の上の方から厚生労働省に話し通しといてくれよな。」 「警察は何でも屋じゃねーぞ。」 ほう。 「子供一人救えねーか? 正規の手続き終わるまで、何カ月も何年も施設に放り込めと?」 まあ使えるモンは何でも使うさ。 深淵はため息を吐いた。 「わかったよ。ところで連休だが。」 「もちろん休みだよな。チビ共の相手してやんなきゃな。」 深淵は意味ありげにニヤリと笑う。 「当然だろう。たまにはディズニーランドでも連れて行ってやれ。」 思いの目の前に往復の旅客券と宿泊券さらにディズニーランドパスポートが差し出された。 「いやに手廻しがいいな。裏は何だ?」 「何大したことじゃない。 東京で連休中大規模な掃討作戦が行われる。そいつの参加要請が来てるだけだ。」 オイオイそれじゃあディズニーランドどころじゃねーだろ? 「いや行ってこいよ。昼はな。 俺達は実働部隊として深夜の作戦活動に参加する事になる。」 オイオイそれじゃあ俺いつ寝るワケ? 「決まりだな。」
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