遭遇

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何事もなく一日が終わり、 俺は家路についた。 俺はiPhoneで花梨との思い出の曲を聴き ながら、駅のホームで帰りの電車を待って いた。 黄昏時、逢魔ガ刻とも呼ぶ時間帯。 向かいのホームには親子連れ。 子供はウチの瑞稀ぐらいか? そして俺は凍りついた。 鬼がいた。 おい。 俺は思わず声が出た。 隣にいたオッサンが怪訝そうに俺を見た 見えていない。 俺以外誰も鬼が見えてはいない。 奴は笑いながら子供の背を押した。 ホームには通過の快速急行が滑り込んで 来る。 だらあ。 俺は線路へ飛び降りた。 間に合わん。 俺の脳裏に新聞を見ながら、 泣いている子供達の映像がはじけた。 オーガ。 俺は呼びかけていた。 その時俺の右手に異様なチカラが漲り 俺の右手は空気を掴み、 俺の身体は急加速した。
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