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街中にある学校まで大体30分の距離。
うちの近くから電車は通っているものの、もっぱら俺は自転車通学一筋。
日頃あまり運動をしないので、運動不足解消も兼ねてる。
最初長くて嫌に感じた道程も、今じゃ愚痴もなく慣れたものだ。
自転車を駐輪所に止め、校内へ。
寄る所があるという友李と一旦別れた。
1人1人が自由な髪の色、服装をしている。
見ていると、学校長の「自然体がなんたら……」とか言う、言葉を思い出してしまう。
学校長の好きな言葉らしく、いかにお互い自然体で向き合えるか――が、この学校のテーマらしい。
そのため、みんな自由な格好を許されているのだ。
しかし、生徒が多い為、朝から賑やかでしょうがない。
低血圧の俺にはまさに拷問。だから俺は、途中から早歩きで校内に向った。
入ると、リノリウムの匂いがする廊下を真っ直ぐ教室へ向かう。
途中、顔馴染みや友達からいつものように声をかけられる。それに対して、俺も普段通り軽い挨拶を交わす。
トサカ頭にパンクルック。ピンク頭にゴスロリ姿。大道芸人のような――こういうのもおしゃれの1つなんだろうなと、無理矢理納得させられてしまうような格好。
そんな、思い思いの姿でいる生徒をかわしながら、1限目の講義が行われる教室の前に辿り着く。
教室に入ると、再び友達と軽く挨拶を交わし、適当に空いている席へ。
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