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出会い
暗闇と共に黒い怪物は消えていった!
で、どうする?
扉を開けて、この場所から逃げるか?
扉の向こうの惨劇を見てしまう?
出口はそこにしか無い訳じゃないけど…
あの怪物は、たぶん、日の当たらない部屋にいるはずだ。
もしかした隣の部屋にいるかも…
頭の中で、いろんな想定がグルグルと巡った。
こんな事をしていても、何も解決策がでないから、思い切って扉を開けた!
自分の予想では、惨劇を…
扉の向こうには、何も無かった!
その場所で、何かがあった形跡は皆目無い。
人がいた形跡は無い、争った跡など…
いったい何?
あの声…
あの断末魔…
争う音…
全て幻覚?
そうだよなぁ~
俺が、ここに隠れてる事は解らないはず、なのに尋ねてきた!
そうだよなぁ~
考えたら、おかしな事ばかり…
ここに居る事すら不思議な事なのに…
ま、とりあえず部屋から出て、あのエレベーターの場所に向かった。
町並みは、相変わらず、誰もいない。
静まりかえってる、でも、どこかの部屋の片隅には、あの怪物が息を潜めているはずだ。
1秒でも早く、あのエレベーターに向かわないと…
アパートを出て、程なくすると
昨日、ジュースを買った自販機があった。
なにげに、自販機を見ると…
ジュースが完売していた!
たしか、昨日は…
誰かが…
まさか、あの怪物が買う訳ないはず。
俺以外にも人がいるんだ!
息を潜めて、行動しているんだろう。
エレベーターのあった場所に着いた。
が、エレベーターが無い!
その場所に、在った形跡はあるのだか、きれいに無くなってる。
戻る事もできない!
かけた期待が大きかったから、落胆が数倍にも肩にのしかかってきた!
動けない…
コッ…
背後で、小石を蹴る音がした。
後ろを振り向く気力すらない!
コッ…
コッ…
「死にたいのか!」
背後で男の声が…
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