すきだから2

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「ちねん…よかったの?」 「りょうすけだって、同じでしょ。」 気付けば泣きそうだったちねんの目からはもう涙がこぼれていて、 俺自身も泣いていることに気付いた。 「ずっと、ひかるくんが好きだった。見てるだけでもよかったんだ。二人を別れさせるつもりなんてなかったのに…でも、ひかるくんが僕を見てくれるのが嬉しくて…でも本当に見てるのはやぶちゃんで…」 泣きながらでてくるちねんの言葉は、痛いほど俺の心に入ってくる。 俺もちねんも、同じなんだ。 俺はやぶくんが好き。 ちねんはひかるくんが好き。 俺は、ひかるくんの隣にいるやぶくんが好き。 ちねんは、やぶくんの隣にいるひかるくんが好き。 「あーあ、俺やぶくんと付き合うチャンスだったのに。バカだなー…俺。」 「ほんと、バカなりょうすけのせいで僕も巻き添えじゃん。」 ちねんを見れば、笑っていて、俺もつられて笑ってしまった。 「やまだ、ちねん。」 「だいちゃん…」 それまで黙っていた他のメンバー達も、笑っていた。 「帰りにみんなでごはんでも食べに行こっか。」 「もちろん、世話のかかるバカなやぶとひかるのおごりで。」 メンバーやちねんを見てたら、これでよかったんだって思える。 やぶくんに奢ってもらうつもりはないけど、ひかるくんには一番高いもの奢ってもらおうかな。 「りょうすけ。」 「ん?」 「…ありがと。」 「…おう。」 やぶくん、ひかるくん。 俺たちは大丈夫だから。 絶対二人で戻ってきてよね。
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