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……あ、れ……?
目を開けたはずなのに、未だに視界を覆う暗闇におれは首を傾げた。
とたん、ゴン、という鈍い音と共におれの頭に痛みが走った。
どうやら、何か…壁のようなものにぶつかったらしい。
思わず左手でその部分を抑えようとしたところ、手指にも同じ痛みが訪れる。
触った感触はサラッとしていて柔らかく、木製の何かだろうと思えた。
って……えっ!?
そこでハッとして起き上がり、先程以上に大きな音が耳に届いた。
額に感じた痛みと共におれが理解したのは、1つ。
この暗闇は夜がもたらしたものではない、ということだった。
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