冷たい闇

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頬の血を拭い、左手を抑える まだ疼いてる… 本当に俺の左手って人を殺める為の道具だよな 拭った血がついた左手の手のひらを見つめて自嘲した 「お前さ!結構強いな!」 ニコニコ笑う彼を見て軽く目を細め、すぐに笑顔に変えた 「そんな事ないですよ。沖田隊長は本気じゃありませんでしたから。俺は本気でしたけどね」 ハハッと空笑いした 「私結構本気でしたよ?做崎さん。なぜ両手で握らないんですか?一瞬両手で握った時動きが速くなりましたよね?」 だから強い相手と戦いたくなかった それなりに本気を出さないと殺られる 本気を出すと無意識に左手を使ってしまう そして鋭い人は俺の左手の強さに気付いてしまう ―――悪循環 強い人と戦うってことは自分の正体がばれることに繋がる だから嫌だったんだ それに俺は理性ぶっ壊すのが早いから簡単に本気を出そうとするってよく怒られたな… 「俺の左手はいろいろあって上手く動かないんですよ。速くなったのは気のせいだと思いますけど」
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