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ある昼下がり
八木邸前で1人の少年が至極楽しそうに笑っていた
その表情からは何の感情も読み取れない
誰もが怯え、そしてその容姿に目を奪われる
彼の容姿は中性的で男にも女にも見えた
腰には漆黒の刀がさしてあり、太陽の光に反射して黒光りしている
身体は小さめで肌は真っ白
見るからにひ弱そうな男だった
そして1番気になるのは左目の眼帯
痛々しい眼帯を隠すように漆黒の髪が覆っていた
楽しそうな笑みと底冷えした冷たい目に冷や汗をかく
誰も少年に話しかけようと思わなかった
ただ1人の青年を除いて…――
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