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「へ~
市ではどんな物が売ってるんですか?」
「何でも買えるぜ。
武器とか食料だけじゃなく、人間とかもな」
ハジはにやりと笑う。
お前もその商品の一つだと皮肉っているのだろうか。
ロキは殴りたくなる感情を抑え、ニコニコと笑った。
皮肉にも気付かない頭の鈍い奴だと思わせた方が都合が良いからだ。
「ハジさんは何を買うんです?」
「俺は武器。
新しいナイフが欲しいんだよな」
すっかり油断しているハジは腰から今使っているアーミーナイフを取り出し、ロキに見せるように目の前をちらつかせる。
「このナイフの新型で、切れ味がかなり向上した刃型らしい」
「それは素敵ですね」
ロキは笑顔で答えながら行動に移した。
後ろに倒れ、勢いそのままで両手に力を込める。
足枷の着いた足で、近くに来ていたハジの顎目掛けて強烈なキックをくらわせた。
「ぐっ!」
ベッドのような柔らかい場所では力が上手く入らず威力は落ちるが、隙を作るには十分。
呻き声を上げて後ろに倒れ込むハジの手から、右足の指でナイフを抜き取った。
お風呂あがりのロキの足は当然裸足だから簡単だ。
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