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「兄さん!」
目が合って、少し大きくなった冬矢を認識すると、途端に身体が震え出す。
なんで、どうして……こんなに、冬矢が怖いんだろう
「俺だよ、冬矢だよ!」
いつの間にか目の前に来ていた冬矢が、僕の肩を掴んだ。
―――っ!
「は、なし…て」
「に、兄さん…?」
身体の震えが大きくなる
呼吸が出来ない
頭が痛い
冬矢が、怖い
触れる体温が怖い
「触るな!!」
「っ!?兄さん!!」
僕は恐怖に耐えられず、冬矢を突き飛ばす。
「冬矢!」
「…っ」
床に倒れそうになった冬矢を抱き留めたのは、辰巳さん。
なんで、もう、会わないと誓ったのに。
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