叶わない

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今日もいつも通りの時間に講義が終わり、凪と瀬良と一緒に帰りの支度をする。 「今日は何食おうかなー」 「凪、さっきからそればっか」 「しかもお菓子食べながら言わないでよ」 「だってお腹すいたからな!」 後少しで鐘が鳴るのに、また新しいお菓子の袋を開けようとする凪に苦笑する。 いつも通りに、過ごせてる。 それでも、痛みを訴える心を、無視して。 何故、ここに来てしまったの? 貴方は、冬矢と幸せになったはずなのに。 冬矢は、どうしているの? 聞きたい、聞けない。 もう一度、その瞳に映ってしまったら もう一度、その体温に触れてしまったら 僕は…… .
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