はじまりの音色

8/18
前へ
/34ページ
次へ
無事にチャイムが鳴る前に教室に入る。 クラスメイトはすでに全員来ているようで、もうすぐ先生が来るというのに賑やかだった。 けどそのことには気にせず、自分の席を探す。 席は出席番号順に並び、窓側から男子、女子と交互に6列で分けられているようだ。 ちなみに俺はというと、廊下側の一番前という素晴らしい場所に選ばれていた。 …全く、“吉田”とか“渡辺”が苗字の奴は羨ましいな…。 キーンコーンカーンコーン そんな悪態をついていると、チャイムが鳴った。 周りはまだ盛り上がっているが、先生が入ってから注意されるのもなんなので、素直に席に着く。 すると、 「ねえねえ!」 隣から女子の声が聞こえ、それと同時に肩をぽんぽんと叩かれる。 俺はそれを聞いて振り向くと、 プニッ 頬に指が突き刺さった。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加