はじまりの音色

4/18
前へ
/34ページ
次へ
「それにしても、もう2年なんだよな」 話を振ってみた。でないと賢斗は、学校に着くまで無言になる。 「そだね。と言っても別に去年より授業が難しくなる程度じゃん?」 「…わかってたけど、やっぱ行事とかはどうでも良いのな」 今年は修学旅行もあるってのに。ホントにクールな奴だ。 「別にどうでもいいって事じゃないけどさ、僕は…」 「知ってるよ。家族がうるさいから良い成績キープしなきゃ、だろ?」 一応中学からの親友だし、賢斗の性格とか家族とか、そういうのは把握してるつもりだ。 だからこそ。 「ま、今年も一緒に楽しくやっていこうな!」 俺なりの最高の笑顔で言った。 「…もちろん!」 そう言って賢斗も笑った。 …今年も一緒に楽しく過ごそう。 そう思いながら学校へと歩を進める。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加