プロローグ

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というわけであまりの痛さに不良がキレる。 「ちっと可愛いからっていい気になってんじゃねぇ!」 そう言って葵の細い腕をひねりあげる。 葵が本気を出せばすぐに振り払えるのだが、 腕を振り上げさせられた瞬間、 バックから手が離れてしまった。 ポチャン 可愛らしい音と共にバックが湖に 吸い込まれていく。 「あ!」 それを見た葵は瞬時に思考を巡らせる。 (あの中にはいってるのは財布、携帯、教科書、雅に借りた本、定期・・・) 葵の持っている定期券は一年分で六万円していた。 そして・・・その鞄には葵の命の次に 大切なものがはいっていた。 「・・・ちっ」 小さく舌打ちをした葵は柵から身を乗り出す。
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