プロローグ

9/9
前へ
/38ページ
次へ
(カバン、どこ?) 水の中をゆっくり見渡すと ゆっくりと葵のカバンが 底へ底へと沈んで行くのが見えた。 急いで水をかき、カバンのもとに向かうと 持ち手を引ったくるようにして持ち、 急いで水面へと向かう。 葵の息止めは限界だった。 身体中が酸素を求め口が自然と開いてくる。 (あと・・・もう少しっ) あと一秒で水面に出られるという所で 葵の身体から力が抜ける。 (やば・・・死ぬかも) 言うことを聞かない身体が重石のように なり、カバンにつられて沈んで行く。 (や・・・だ・・・死・・・にた・・・な) そこで葵の意識は途切れた。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加