battle☆06

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こんなトコ咲妃に見られたく ねぇ~んだよっ!! 「オラッ!早く行けって!!」 俺はワンコをクルっと 回れ右させて背中を押した。 「ヤダ~。一緒にいる~。」 コイツ‥ 何考えてんの? 「迷惑。ウザイ。お前キライ。‥以上。‥さよなら。」 俺はワンコを置いて 校門を後にした。 携帯を取り出し咲妃にメールを打とうとした時‥ ガツンッッ‥!! 背中に衝撃。。 イッタァ~っ!! ワンコが俺の背中に鞄を 投げつけていた。 「お前なあ~っ。 何やってんだよっ!! いい加減にしねえと マジでキレっぞっ!!」 ワンコは、 うるうるした目で俺を見ると 鞄も持たずに走り出した。 ‥と思ったら転けた。 何やってんだ‥? 何なんだよ…コイツは‥ ホント、ウゼぇ。 俺は鞄を持って ワンコの所へ行った。 ワンコは地べたに 座りこんでいる。 「オラッ。」 俺は手を出してやった。 ワンコは俺の手を握って 立ち上がった。 「怪我は?」 「‥大丈夫。‥手が痛い。」 なら‥大丈夫って言うなよ。 「見せてみ。…手。」 ワンコの手の平は ズリッと向けていた… すげー勢いだったんだな‥ ガキじゃねえんだから。 俺はポケットに入っていた いつのハンカチかわかんねえ シワシワのハンカチで 手の平を縛ってやった。 ハンカチをキュッと縛ると ワンコは “イタッ”と鳴いた。 「俺にあんな事した天罰だ。 とっとと帰れ。‥‥‥ん!」 電話だ。 『咲妃』‥‥‥ポチっ。 「あいよ~咲妃ぃ~?」 『リョウ。‥何してんの?』 「‥ん?‥何って‥」 背中に気配が‥ 殺気が‥ ゆっくり振り返ると 携帯を持った 咲妃が立っていた… 冷たい氷の様な表情で‥ ジッと俺とワンコを見ていた… 咲妃。。 違う…違うぞ… 落ち着けぇ~~。 俺。落ち着けぇ~~。 「咲妃。 ちゃんと説明すっから。」 俺は咲妃の手を握った。 「そうだね。 ちゃんと説明してもらう。」 咲妃は俺の顔を見ずに ずっとワンコを見ていた。 ワンコは俺を見ず 咲妃を見たまま俺に言った。 「リョウちゃん。 これ。ありがと。 今度… バイト先に返しに行くね。」 「ハア!?…来るなっ!! ゼッテエ来るなっ!! 返さなくいいからなっ!!」 俺はワンコの背中に向かって 叫んだ。 アイツ何、言ってんの? 火に油だろ~。。 「リョウ。行こ。」 「…はいっ。」 咲妃は俺の腕を掴んで 歩き出した。 やっぱ、 アレは要注意人物だな‥
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