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「どっちが年上かわかんないなー。虎南とかなは」
「本当に。先輩失格です!」
「そんな~…せぐうぇーい…」
「あ、そういやかなってなんで俺にも敬語なんだ?」
かなと俺は同い年だ。初めて会った時から変わりなく敬語を使われ続けている。
「あ、うーん…。なんでですかね」
「せぐといえば敬語だよ!やっぱり」
「コナンさんは黙ってください」
そう言われて、少しへこんだ虎南は最後の卵焼きに箸をのばす。
あ、俺まだひとつも食べてないのに。
「タメなんだしさ。敬語じゃなくていーじゃん」
そして虎南の箸に突き刺さりそうになっていた卵焼きを救出して、それをかなの茶碗の上に置いた。
「な?」
笑顔でそう言えば、かなはちょっぴり頬を赤くして頷いた。
「こら、まーくん」
有加が俺の頬っぺたを思いっきりつまんで引っ張った。
「いてっ!や、やめろって」
ぱっと手は離されたものの、引っ張られた部分は熱を持ち、じんじんと痛む。
あきらかに不機嫌な顔をしながら、有加は味噌汁に口をつけた。
「ねーねー。これ食べたらみんなでどこか遊びに行こうよ!」
「そーだなー。…海。海行こ!」
「海?有加好きだなー。さっきは暑いからやだーとか言ってたくせに」
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