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「楽しかったねー…」
「また来ましょうよ」
「そうだね」
「…そろそろ帰るかー。片付けしとくから、先着替えて来いよ」
「まーくんも着替えるでしょ?」
「水着のほうが、時間かかるだろ」
よっこいしょ、と立ち上がりパラソルの方へと歩き出す。
「準備もしてもらったし。手伝うよ。コナンとせぐは先に着替えてきなよ」
有加がそう言い立ち上がる。
「え、いいのに」
「いいからいいから。せぐ、コナンのお守りお願い。運転しながら寝られても困るからさ」
座ったままいつの間にか船を漕ぐ虎南は、半分夢の世界だ。
「すいません…。ほら、コナンさん!帰りますよ!」
「…もう、食べられないよぉ」
「何言ってんですか!」
実は片付けより、かなの方が大変じゃないのか。
ついつい笑ってしまったら、有加も同じタイミングで笑い出して。
来た時とは反対に、今度はかなが虎南をひきずりながら更衣室へと向かう。
その姿を見送ってから、俺と有加はパラソルの所へと向かった。
「ほんとに、よかったのに。そんなに片付け時間かからないしさ」
「…前にも言ったけど。まーくんは、女の子の気持ち、もうちょっと分かろうね?」
パラソルをたたむ手は動いたまま、有加は言った。
ああ、なるほど。そういう事か。
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