日常へ

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…だから夢が現実になった今を失いたくなかった 「…不快じゃないわよ………だから…その……………これからは……………美琴…って呼んでっ」 勇気を振り絞った もはやそれが今の彼女の全力だった しかしまだ足りない この夢はまだ1/2しか叶っていない チャンスは今しかないのだ これを逃したらもう二度とチャンスはない だから全力を出し切った彼女は限界を越えて尚言う 「…だから…私も……当麻って…呼んでいい…かな?…」 反則だ。と上条は思った いくら女子中学生と言えど顔も整っていてスタイルも悪くはない。ランクで言えば上の中、いや上だ。それも顔を赤らめながら 普通の男ならばイチコロである そして上条もその一人であった 「あ、あ~…全然よろしいです。ていうか、上条さんもそっちの方がいいかなぁ~、って思っていたところです、はい」 それを聞いて美琴は嬉しかった (やっと…やっと素直になれた。ちゃんと気持ちを伝え─) しかし急に美琴は足に力がはいらなくなり後ろの椅子に倒れるように座った (…あれ?足に力が入らない…頭もクラクラする…) 「大丈夫か!?どこか具合が悪いのか!?」 「ん、ちょっとね。最近寝不足気味だったし」 (それとあんなこと言うの恥ずかしかったし、なんか安心したら疲れがドッと出てきたのかも) 「だったら見舞いはいいから早く寮に戻って休めよ。俺も今日で退院だからよ」 「…うん」 「あぁ、身体壊すと周りも心配するからな」 「そぉね、んじゃ帰るわ。またね」 美琴は椅子から立ち病室から出ていった (あいつちょっと痩せたよな。目にクマもあったし、相当迷惑かけちまったみたいだな。…守るって約束したのに…これじゃダメだな) ─彼女を守ると 約束してくれますか─ 上条の頭の中であの言葉が浮かんだ 「あぁ、約束だ。アステカの魔術師」
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