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小春日和。
煙草の臭いが鼻腔を刺激した。煙草を吸わない人間にとってこれほど不愉快なことはない。
自然とその相手に視線が移る。
──どこかで見た顔だ。
視線の先の男はお猪口で煙草を美味そうに吸っている。
男と視線が合った。
男は会釈すると煙草を揉み消した。
「お久しぶりです」
──誰だっけ~コイツ…。
取り敢えず挨拶だけは返す。
「…お久しぶりです」
「お元気そうで」
「おっ、おかげさまで…」
──こりゃ~マズイ事になったな…確実に分からないぞ。
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