恭一。

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「…い!おい!」 恭一は頬に痛みを感じた。 ──だれかが俺を…呼んで…いる。 声からして男。 恭一は瞼を開けたが、焦点が定まらない。靄のかかったような視線の先に、ぼやけた人の顔がある。 やがて靄が晴れるように焦点が定まった。 男が言う。 「気が付いたか」 「ここ…は?」 「分からない…」 恭一は上半身を起こすと辺りを見回した。全てが白一色の壁と天井だった。
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