お稲荷さん。
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和正は台本を手にした。しっかりと作られた台本だ。新しいコーナーも用意されている。おそらくドッキリの後、番組の収録もあるのだろう。 ──そろそろか…。 視線だけでなく、顔をテーブルの角にある弁当箱に向ける。視線だけでは視聴者には伝わりづらいのだ。 台本に顔の位置を戻し、数秒待って弁当箱のお稲荷さんに手を伸ばした。台本を読みながら、あくまでも自然にお稲荷さんを口に運んだ。
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