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少しやり過ぎたと思い、アリスの頭から手を離す。
「あっ・・・う~・・・。」
手を離してやると、なぜか名残惜しそうな顔をするアリス。
・・・どういう事だ?
俺は、そんなアリスの様子に首を傾げる。
「えっと・・・仲の良い事はよろしいのですが、そろそろ良いですかね?」
そんな様子を見て、不意にロイさんが声をかけてくる。
「あっ!どうぞ、お父様。」
アリスはっとして、ロイさんに返事をする。
「それじゃあ先ずは・・・。」
そう言って俺の方に目を向けるロイさん。
「2ヶ月前にセブンスとの契約を破棄する事が出来たのも、今日、こうやって学園にアリスを送り出す事が出来るのも、全て君のおかげです。改めて言います、本当にありがとうございました。」
立ち上がって、深く頭を下げてくるロイさん。
それに合わせて、アリアさんや護衛の騎士、大臣と果てにはこの部屋にいる全ての人が俺に頭を下げてくる。
「い、いやいや!頭を上げてください!俺はただ、自分に出来る程度の人助けをしただけですよ。」
あまりにも、いきなりの事だったので焦ってしまう。
感謝など、前世ではあまりされなかった俺は、身振り手振りを交えながら精一杯の謙遜をする。
頭を上げて、俺のそんな様子を見た人達はクスクスと笑ったり、にこやかな笑みを浮かべる。
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