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暫く経ち、漸く場の空気が落ち着き始めた頃、ロイさんがにこやかな表情で口を開いた。
「はは・・・。さて、そろそろいい時間の筈です。出発する前に・・・アリス?」
と今度はアリスに目を向けるロイさん。
「はい!」
アリスはそれに凛とした返事をする。
「アリス、お前はこれから知らない土地で、知らない人達と一緒に生活を共にします。・・・セブンスのような悪意を持った人間もこの街以上にいます。それでも、挫けずにこの国を統べる者として成長して帰ってくる事を信じています。私達には無事を祈る事しか出来ませんが、頑張って下さい。」
その時のロイさんは、一国の王とかそんな物ではなく、ただの、一人娘を案じる父親の姿だった。
「・・・っ!はいっ・・・!」
アリスはそんなロイさんの姿に励まされたのか、はっきりと胸を張って返事をした。
アリスの返事に嬉しそうな表情をするロイさんとアリアさん。
「さて、外に馬車を待たせています。それに乗って学園に向かって下さい。」
「分かりました。それじゃアリス、行こうか。」
「はい!それではお父様、お母様。そして皆さん、行って来ます。」
そうして、俺とアリスは謁見の間を後にする。
・・・さて、学園が楽しみだな。友達ちゃんと出来るかな・・・?
これから始まる学園生活に心を密か弾ませて・・・。
シキサイドアウト
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