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ベッド…
人によっては休むもの、男女の営みをなす場所…普通ならばそういった使い方がセオリーだ。…が、僕達二人にいたっては普通では無かった。
彼らが僕達を呪縛し、生きている限り安心して眠る事すら出来ない。そんな状況下…。
「やあやあ。ご機嫌うるわしゅう。今日も元気に二人でベッドインかね?ふはっ!」
初老の男が広い空間の端から話し掛けながら歩いてくる。
「ベッドインも何もずっとベッド内ですよ裏腹博士。」
彼の名は裏腹善吉-ウラハラゼンキチ-
僕達を監視する人間の一人で現代薬学の第一人者らしい。僕達に一般的な勉強を教えてくれる人でもある。
「で、博士。今日は何の勉強なんですか?」
「ちょっと待ちなさい。横で寝てる美月君を起こしたまえ空斗君」
今呼ばれた美月-ミツキ-と空斗-ソラト-それが僕達の名前だ。名付けた人の顔すら知らない。ましてや親の顔まで。
物心がついた頃にはもうここにいたからだ。
最初はこんな狭苦しいベッドでなんて無く、床いっぱいを使って追い掛けっこをして遊べていたのに。今から二ヶ月前、僕達は死の恐怖を教えられた後にこのベッドに乗せられた。
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