1章

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寝ても覚めても、ご飯を食べるのも、遊ぶのもベッドの上。 下に降りてもいいけど、一度に降りていいのは一人で、もう一人残った方の身体の一部が触れていないといけない。そういったルールを課せられたのだ。 僕達の首にはリングを施され、僕達では勝手に取れないようになっている。 もしも、身体の一部を触れずにベッドから落ちた場合、この首のリングから100万ボルトの電流が流れて死んでしまう、と。説明はそこまでされた。 無論、寝ていようが起きていようがルールは同じ…らしい。寝暴れで落ちてしまっても死んでしまう。だから僕達は二人一緒に眠る事が出来ない。 「美月はさっき眠ったばっかりなんです。もう少し待って貰えないですか?」 僕がそう裏腹に言うと、彼は笑顔でこちらに近づいてきた。 「生憎私も忙しいものでね。君達の都合にあわせてる暇はないんだよね。早く起こせ。」 そう言いながら彼は後ろ手から鞭を取り出した。 これは言う事を聞かないと鞭を振るわれてしまう。実際、彼には幾度も鞭を打ち付けられてきた。美月も同じく、今でも跡が痛々しく残っている。 「分かりました、起こしますからちょっと待っててください。後、美月が怖がるので鞭を隠しておいてください。」
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