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松木所長が違うカードキーを取り出して差し込むと、カメラが現れ、彼の目を覗き込んでいる。その後、彼の手元に青い光を放つ機械が現れ、それに手を乗せている。
「あの、所長?いったい何を…。」
「ああ、すまないね、地下研究施設に行くには目の光彩と静脈を認識してもらわないと入れてもらえないんだ。」
ま、まさかの秘密結社のアジトの様な事をしなければいけない施設がこの日本、しかも俺みたいな派遣社員が働くような場所にあるとは…。
一通り松木所長の認識を終えるとエレベーターが動き始めた。ウィィーンと無機質な音が続く。何も話す事がなく、無言が続く…。そんな空気を裂いたのは松木所長だった。
「そうそう、仕事内容についてまだ話してなかったよね。」
「あ、はい。」
「まあ難しい事じゃないんだよ。二人の子供を見守って欲しいんだ。」
「…え?」
思っていた仕事内容と逸脱していた為、つい拍子抜けした声が出てしまった。研究所だから何かの実験台にされてしまうものばかりと思っていたから少し安心して働けそうだ。
「ちなみに半年の間、この地下研究室で寝泊まりをしてもらう。時給は5000円、半年の間外出も禁止させてもらうけど食料も住む場所もシャワーも着替えも、なんでも揃ってるからそれを使ってくれたまえ。」
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