1章

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更衣室に通された僕は身体の汚れを落とす為、滅菌室に入れられた。その後、部屋を出るとピカピカの白衣を渡された。 「あの、僕が着てきたスーツは…?」 「処分いたしました。」 処分…一張羅が処分されてしまった!?嘘だろ…。大学卒業を期にばあちゃんに無理言って新調して貰ったスーツなのに。ゴミ扱いかよ。 それにしても見守るって言ってもどんな子供なんだろうか。ここまでの高額な値段をくれるというのだ、野獣のような危険極まりない子供とか?見た目は大人、頭脳は子供みたいな逆江○川コ○ンみたいな奴とか? 不安を抱えながら廊下を歩いていくと、案内役をしていた職員が立ち止まっていた。 「こっちです。」 職員に言われるがまま入るとガラス越しに少年と少女がベッドの上で飛び跳ねて遊んでいた。年齢からすると13~15歳なのだがその年齢の子供がベッドで飛び跳ねて遊んでいる光景は奇怪なものであった。それ意外に奇怪なのは二人の髪なのだが少女ならわかるが、少年まで物凄く髪が長いのだ。まるで今まで切った事が無いんじゃないかと思うくらいに。 「あの、あの子達を見るだけですか?」 「ええ、あの二人を見るだけです。私達は夜にこの施設に集まりますので、朝から夕方の間彼らの様子を把握してもらう為に貴方を雇ったのです。別に噛み付いたりするような子達ではないので中に入って話をするのもいいでしょう。」
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