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井坂の言葉に、思わず両手で頬を挟む。
「あぁ、なんか不思議な夢見てさ」
ベッドに腰掛けて先程見た<夢>の話しを二人にする。
家に帰ってすぐに眠りについた事、男が現れてそれが現実のような感覚になった事や、男の特徴。
「「夢と現実の境目?」」
二人が発した言葉がシンクロする。
井坂の隣に座っている才原が何やら考えこんでいる。
それを見た井坂が、トンと才原の背中を軽く叩く。
「涼」
「あ、……大丈夫だよ、そんなの夢夢!ほら、元気出してっ!」
ハッとした才原はちらりと井坂を見た後、俺の方を向いていつものように可愛い顔で笑って、両腕をガッツポーズにしている。
その姿をクラスの奴らが見たら、きっと鼻血もんだぞ?
そんな可愛い笑顔につられて、俺も笑ってしまう。
「そうだな。じゃ、この前のゲームの続きでもする?」
「あ、する!今日は絶対負けねぇかんなっ」
俺が言うと井坂が腕まくりをして張り切っている。
P〇3でお決まりの対戦ゲームをすると、たいてい俺が勝つのだ。
そうやって、ゲームをしているうちに、夢のことは頭の片隅に移動していった。
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