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「あ~…今日はやめとくわ。ちょいボーッとしてるし家帰って寝たい」
ゴシゴシと目を擦ってそう答えれば、井坂と才原が目を合わせて笑う。
「そっか、じゃあまたな。春休み中またメールする」
「またね、マモちゃん」
二人と玄関で別れる。
相変わらず仲良しだなぁ。
井坂はあの男前だけど彼女いないし、才原はあの可愛い顔だから男子ばかりの学年で女子にも劣らないアイドル並の人気。
誰も手を出さないのは二人が仲良いから、付き合ってるって勘違いしてるやつが沢山いるみたいだけど、実際そういう仲ではない(当たり前か…)。
一度勇気を振り絞って、付き合ってるのか?って聞いてみたことがあるが、二人に盛大に笑われた記憶がある。
変なこと聞いた自分の方が恥ずかしくなって赤面したくらいだ。
そんな事を思い出しながら帰路につく。
「ただいま~」
自宅の玄関を開けて、いつものように声をかける。
…と言っても誰もいない。
両親共働きで、帰ってくるのはたいてい夕飯時~夜遅くになる。
兄と姉はそれぞれ一人暮らしで、社会人&大学生活満喫中。
末っ子の俺と両親だけの家だが、一人でいる時間の方が長いくらいだ。
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