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『それならいいんだけど、実はもうマモちゃん家の前にいまーす!』 才原がそう言ってインターホンを押したから、思い切り吹き出してしまう。 「マジか!…」 才原の明るい性格が、今の俺を救う。 とてもじゃないけど、今独りでいるのは怖かったんだ。 玄関の扉を開けると、そこには笑顔の井坂と才原。 「じゃ~ん!!お土産!」 才原が差し出したのは、UFOキャッチャーでGetしたであろう、彼の上半身が隠れる程ドでかいクマのぬいぐるみ。 「それは俺が取ったのだろ?涼が取ったのはコレ~」 井坂がポケットから取り出したのは、手の平サイズのカエルの……なんだろ? なんか手足が生えてるし、目が怖いし可愛いとはお世辞でも言えないから、 「それはいらねー」 とハッキリ言ってやったら、僕もいらなーい、と笑う。 なんか、才原がすげぇ可愛いんですけど… 部屋へ案内すると、井坂がニヤリと笑って例のカエルをさりげなく入り口近くの本棚の隅へ置いているのを発見したが、とりあえず何も言わないでおいた。 「で?なんか顔色悪いけど、ほんとに大丈夫なのか?」 井坂が、まだ立ったままの俺を見上げて、やや心配そうに聞いてくる。
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