24章§青い頃のラブアフェア

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――しまった!! レオはセシルの姿を見て、瞠目し、懐から白刀を取り出そうと手を忍ばせる。 彼女は玉座にある立派な椅子に座っているので、即座にわかった。 そんなレオを――オロは制し、 「………お久しぶりです義姉さん」 にこやかに挨拶するオロを、一瞬誰か分からないように見ていたが、みるみる表情が険しくなってくる。 セシルの眉間にシワが寄る。 「オロ……ガイアナ!!」 恐ろしく深く呟き、そして、チカラ足に集約させてオロの懐へと踏み込んだ。 これが、女王としての実力なのだろう。 瞬時に剣を出現させると、オロの腹部目掛けて突いた。 明らかに牽制ではない。 オロはそれを身を引いて避けると、セシルと距離をとる。 何が何だか分からないレオは、戸惑いながらも、距離を取ろうと後ろに数歩下がった刹那。 「………『弾いて射で奉(まつ)れ孛仲蛇影(はいちゅうのだえい)』」 ポツリとセシルは呟いた。 「!!!!」 床から小さな水龍が現れ、レオの四肢に絡みつく。 ――身転だ。 「レオ!!!!」 オロは弟子の危機を間近で見ると、名を叫び、駆け寄ろうと歩を進めようとするが、 「お前の相手は、わたくしですわ……殺してやる。姉様の仇」 「(姉様?)」 首を傾げるレオを見て、オロが言葉を紡ぐ。 「彼女の姉の名はビスカ・ヌンサム――今は亡き、私の最愛者の名前だよ」
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