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「怖いよ…」
梢が彼氏の腕にしがみつく。
「大丈夫。
俺がついてるよ。
さぁこれを飲んで。」
彼氏は鞄から水のペットボトルを出して梢に渡した。
梢の体は依然として恐怖で震えていた。
それでも彼氏が梢の体を包み込み、梢の震えは小さくなっていく。
2人が一安心し始めた時、壁の反対側から男達の話し声が聞こえてきた。
「匂うな。
上等な血の匂いがする。」
「早い者勝ちだぞ。」
悪意のこもった会話。
それを聞いて梢の体がまた震え出す。
動けば見つかる。
2人は息を殺して身を固めた。
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