発生

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ものの1分程だったろうか、2人が息を殺して身を固めていると、男達の話し声が遠ざかった。 2人にはその時間が物凄く長く感じた。 「もう大丈夫だよ。 さぁここから移動しよう。」 陰から顔を出し、男達が居ないのを確認して彼氏が梢に手を差し出した。 梢が彼氏の手を掴もうとした時、彼氏の体が飛んだ。 彼氏はそのまま壁に叩きつけられ地面に倒れた。 胸を強くぶつけたのか、苦しそうに咳をしている。 「みーつけた♪」 刀を持った男が3人、梢を囲んだ。 「スゲーいい匂いだぜ。 こんな匂い嗅いだ事はないぞ。」 「旨そうだな。 俺に心臓をくれよ。」 「なら俺は脳ミソを貰うぞ。」 「殺さずに生かしたまま取り出そう。」 男達は涎を垂らしながら梢の全身を見ていた。 梢の顔から血の気が引き、声を出すことさえ出来なかった。
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