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日付が回った頃、空から雪が降ってきた。
気温もグッと下がり、白夜は体を前屈みにして、手に息を吹き掛けながら立っている。
もう、早く帰ってよ。
今は会えない。
会ったら私…
コンコン。
部屋を誰かがノックした。
「入るわよ。」
母親が部屋に入ってきた。
「外に居るの白夜君でしょ?
ずっとあなたを待っているんじゃないの?」
白夜は二度ほど梢の家に行った事があり、母親とは面識があった。
「知らないよ。
勝手に来たんだから。
帰ってって言ったけど帰らないんだもん。」
梢は枕に顔を押し付けたまま不機嫌そうに答えた。
「近所の目もあるし、なんとかしなさい。
それにお父さんも怒ってるわよ。」
母親はそう言って部屋を出ていった。
ちなみに父親との面識はない。
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