55人が本棚に入れています
本棚に追加
《六華side》
「……っ?……六華?!」
大きな声で呼ばれ、ふと気がつくと目の前には友達の顔があった。
「もー、六華ってば何回呼んでも起きないからさ、先生めちゃくちゃ怒ってたよ?」
「……仕方ないじゃん、昨日も夜遅くまで仕事してたんだもん」
「そんな遅くまで何やってんの?」
「んー、まぁ色々と?」
「もぅ、まーたそうやってはぐらかすんだから」
「ははっ」
当たり前だ。他言無用の条件の元雇ってもらってるんだから。言ったら私の首が飛んじゃうよ。
「そういやさ、朝のHRのことなんだけど」
「……?」
「やっぱり寝てたんだ…。あの連続殺人事件のことだよ」
「……」
「また犠牲者増えたんだって。今度は一年だって言ってた」
「……」
「いっそのこと『危ないから今日から学園閉鎖だ!』とかやればいいのにね」
「……」
「…ねぇ、聞いてる?」
「…半分」
「何よ、半分って。この学園でもう4人目だよ?『次は私かも?!』とか思わないわけ?」
「別に、まだ」
「まだって……、はぁ、本当六華ってマイペースだよね」
違う、そんなんじゃない。だって私が狙われるわけないじゃん。
――私が犯人なんだから。
。
最初のコメントを投稿しよう!