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バシャバシャと河から出て来たソイツは、何食わぬ顔で捕まえた魚を岩場に置くと、乱れた金髪を整える。
そして良く顔を見てみると、右目に刀の鍔を眼帯にしていた。
「御機嫌よう」
「ご、御機嫌よう…ってそうじゃねぇ!」
その時点で、腰を抜かしていた事に気付いた俺は、咄嗟に背を向けた。
「な、何だお前は!?」
「お前とは失礼ですわね?レディに背を向けながら、名を名乗らずに聞くなんて…」
「は、裸の一歩手前の格好で、何言って…ヌワッ!?」
ズイッと俺の目の前に回り込んだソイツは、何処か気品がある様なお辞儀をした。
「それは大変な失礼を。私[ワタクシ]、モニカ・フォン・ヴァンガード。旅をする渡世人です」
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