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理由は不明。
自分自身ですら理解出来ていない。
しかし、俺は他の霊感者【Stage】には出来ない事が出来る。
それは霊に直接触れる事が出来る事だ。
普通、生者が死者の体に触れるには霊装による接触しか方法は無い。
しかし俺は霊装無しでも霊触れる事が出来る【超特殊電磁霊力体質=イクト・プラズマ】というものらしい。
―――まぁ。どうにしろ……。
「今の状況下では何の意味も無いけどなっ!」
ジャキッ。
学ラン内のホルスターから霊装であるエア・シャフトを抜き、覚束ない足取りの悪霊に銃口を向けた。
握把を強く握り、安全装置をピンッと外す。
元々エア・シャフトは短縮小銃のオートマチック【ベレッタM8000】をモデルに作られた、霊装。
つまり、接近戦においては有利。
「ゴk…ィ/ヴ@eガァッn」
悪霊は希に飛び掛かる。
「来るんじゃねぇ!」
ガァン!ガァン!ガァン!
後方へ飛びずさりエア・シャフトで銃撃。
拳銃の平均交戦距離は7メートルと言われている。
俺はその最高距離を保ちつつ応戦。
9ミリパラベラム弾。
薬室=弾の中身は清めた岩塩を込められた対霊魔専用だ。
放たれた弾は悪霊に当たるが、それでも中々怯まない。
頭が割れるような高い奇声を発して突進を繰り返す。
よく見ればその紫がかかった腐った手には錆びた出刃包丁が握られている。
……あれはやばいぞ。
ガァン!ガァン……ガキンッ。
撃鉄が擦った音。
弾切れ。
「くっ!」
悪霊による出刃包丁の横払いを頭を下げて避けて、倉庫側に転がり込み、ホルスターから予備弾倉を取出し、再装填。
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