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一瞬この美少女が何を申しているのか理解出来なかった。
「?」
あれ?みたいな顔で俺を覗き込む美少女。
――何で彼女は俺の名前を知っているんだ?
どんな情報経路なのか分からないが、まずに初対面の奴が俺の名前を知ってる訳がないだろ。
普通。
だけど―――
彼女が二重に羽織るぼろぼろの黒衣の下からは見慣れたモノが顔を覗かせている。
藍色のブレザーに胸元の目立つ赤い大きなリボン。
…どう見てもうちの学園の指定制服だよな。
と、したら彼女が俺の名前を知っている可能性は0%から40%辺りまで跳ね上がる。
更に同じ学年だとするとまた可能性は上がる。
だが、俺は彼女を一度だって見た覚えはない。多分。
だとしたら転校生か?
うん。その可能性は有り得る。
だが彼女を転校生としたら俺を知っている可能性は0%だ。
…なんてな事を脳内で即興で考えてみたりしてみたが、特に意味は無いようだ。
返事に完全に困り果てた俺と違って少女は綺麗な瞳をキラキラと輝かせて、俺を見つめていた。
こんな態度。
明らかに彼女の方は俺の事をご存知のようだ。
だけど…………
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