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AM 7:20(-71min)
――――多分ここが回想する良きタイミングだと思うから勝手だが話は数時間程前に戻る。
―――――――――――――――
いつもの朝だった。
携帯のアラーム機能に起こされ、いそいそと着替えを始めて、洗面所で燕の巣みたいになったボサボサの髪を手際よく直して台所へ。
一歩踏み入れるといつもの良い匂いが鼻を擽ってくる。
「おはよう麻那」
いつもの挨拶。
するとダイニングキッチンから我が妹・麻那がお玉片手に――
「あっ!お兄ちゃんお早う」
と顔を覗かせる。
キッチンの奥からはコトコトと調理される音と旨そうな匂い。
「もう朝食は出来てるよ~」
麻那に促されるままテーブルにつくと既に準備された色とりどりに並べられた二人分の朝食。
そう、いい加減にでも分かって貰えたと思う。
我が高山家は普段は俺と麻那しか住んでいない。
別に両親が居ない訳ではない、父親は医者、母親は高山神社の巫女をしている。
あと付け加えて説明するなら高山神社。
高山神社ってのは都内でも有名な《対霊魔術式》神社で、まぁなんだ母親と祖母はそこのイタコ(?)みたいな感じ。
あと、《対霊魔術式》と言うのは…………これはまた後からでいいだろ。
つーわけで家族構成、紹介はお終いっ。
簡潔に言えば、普段は両親は忙しいから自宅では俺と麻那しかいないって事だ。
父親に関しちゃ、世界を越えて活躍してるらしい。
まっ、知ったこっちゃないんだがな。
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